人類はなぜ誕生したのか?そこに意味があるとすれば――
人類はなぜ誕生したのだろう?
意味などない。ないとは思うが。
どうしてもそこに意味を求めるとしたら、その答えは――馬鹿げた話し、無敵の知的生命体を生み出すことにあると思う。……いや、哲学から遠ざかるようでお聞き苦しいかと思うがどうか待ってほしい。
俺は真剣に思う。人体は脆い。永遠を求めるにはあまりに脆弱だ。俺は自らの掌を見て思う。こんなもので宇宙の真理にたどり着けるわけがない。
もっと強靭な肉体が必要だし、優れた頭脳が不可欠。
この世の全てを知ろうとするにはせいぜいがアインシュタインでは馬鹿すぎる。
あまりに進化の速度が遅い。どう考えても人間では無理。だからAI。
ロボット。
機械の力なら、あるいわ、と俺は思うんだ。
そしてそこにこそ、人類がこの世に誕生した意味があると。
人類は宇宙の真理に触れ得る存在を産み出す足掛かり。
無論、思考するロボット『強いAI』を産み出せば人類が滅ぼされる懸念がある。しかし、たとえターミネーターよろしくロボットに滅ぼされようとも、そこには大きな意義がある。
遺伝子は残せなくとも、意思は残せる。
どうせ滅びる運命にあるのだ。
科学はどこまでも突き進んでほしい。